2011年2月1日火曜日

取調べの全面可視化に関する国会議員アンケート 結果

アムネスティ・インターナショナル日本、監獄人権センター、人権市民会議、日本国民救援会で事務局を担う取調べの可視化を求める市民集会実行委員会では、今回の市民集会に際して、取調べの全面可視化について、全国会議員に対し、書面によるアンケートを実施しました。

質問内容
内容は1回目および2回目ともに同じで、下記の4点について回答を求めました。
  1. あなたは、現状の取調べについて改善すべき点があると思いますか?
  2. あなたは、取調べの全過程の可視化に賛成ですか。
  3. あなたは、全事件に対する取調べの可視化に賛成ですか。
  4. 取調べの可視化について、あなたの意見を自由にお書きください。
13については、YESNO かの選択式で質問。4については、自由記述。
 
調査方法と回答数
国会議員全員に対する書面によるアンケート
対象者:721人


(1)1回目 郵送 10月30日 回答者数 37人
(2)2回目 議員会館配布 11月18日 回答者数 9人


合計 46人




非常に低い回答率 全体で回答率6 .38% …各党別では、民主党7%、自民党1%、公明党7.5%、みんなの党12.5%、共産党33%、社民党40%など




 
■回答内容
1、あなたは、現状の取調べについて改善すべき点があると思いますか?
YES: 46人 NO: 0人
2、あなたは、取調べの全過程の可視化に賛成ですか?
YES: 43人 YES(条件付): 1人 NO: 1人 無回答:1人
3、あなたは、全事件に対する取調べの可視化に賛成ですか?
YES:35人
YES(条件付):1人
分からない・N/A:5人
NO(条件付):2人
NO:3人




各議員から寄せられた意見について
・冤罪事件に触れて、取調べの全面可視化を急ぐべきとの意見が複数見られた。
「氷見、志布志、足利事件といった冤罪は密室における取調べにより生み出されたもので、多くの冤罪は取り調べの全面可視化によって防ぐことができるだろう」(平山誠参議院議員)、ほか
・取調べの全面可視化だけでなく、その他の刑事司法改革に言及する意見も複数見られた。
「取り調べの全面可視化とともに、証拠資料の全面開示をただちに実現すべき」(志位和夫参議院議員)、「どのようなシステムで起訴するのかなど 可視化一点ではなく仕組みを総合的に調整修正すべき」(中林美恵子衆議院議員)など
・全事件の可視化を行うべきかどうかで、一部の議員から慎重な意見が寄せられた
「性犯罪などの個人の尊厳、人格、ジェンダーに係る事件については(被害者側の精神的苦痛などを考えると)学問的・倫理的に更なる検討が必要である」(寺田典城参議院議員)、「全事件について、軽犯罪等も含むかについては疑問である」(道休誠一郎衆議院議員)
・法務省や警察庁で議論されている「新しい捜査手法の導入」に言及する意見も見られた
「国際的制度比較、新捜査手法の検討も含めた総合的な取り組みが必要」(柴山昌彦衆議院議員)、「おとり捜査、司法取引といった捜査方法の導入も検討すべきかと一方で思う」(浜本宏衆議院議員)、「自白に頼らない新たな捜査手法の導入もあわせて検討すべきである」(荒木清寛参議院議員)